…やがて ふっと気が付くと わたしは どこまでも広がる蒼のなかに ひとりぼっちでうかんでいました
もう 少しも苦しくありません とても静かで すずしい風がわたしをつつみ はるか下には みたこともないくらい 大きくてうつくしい星が かがやいていました
あの子は あそこにいる。 かえらなきゃ。 あの子のところへ。 なつかしいわたしのほしへ。
背中をおす風にのって わたしは ぐんぐんと 空をすべりおりていきました
まっすぐに、あの子のもとへと。
「…もういいだろう?風邪をひいてしまうよ。 お家に入りなさい」 「うん…」
ねえ わたし かえってきたよ? 見えないの? わたしはここにいるのに。 もういちど なまえをよんでよ。 ねえ。 ねえ………
…やがて わたしは ここちのよい闇につつまれて しずかなねむりに つきました
絶え間なく かすかに聞こえる なつかしい声を 子守唄にして。